意図せぬ桜見物

空・曇りのち晴れ、また曇りのち晴れ

雨が降る可能性ありと聞いて傘を持って出たが、全く必要なし。

マスクに眼鏡、喪服なので全身黒一色…
何とも怪しい姿で友達の葬儀に向かう。

家族葬の式場は、普通の住宅街の中で、私が過去参列した葬儀とは様子が違った。
狭いスペースに椅子が密集していたので、係の人の「どうぞ中に…」の言葉を断り、同級生一同５人は外でお経を聞いた。

遺影の顔の印象がちょっと自分の中にある顔と違う…

私が見る彼女はバッチリメイクだったけど、ナチュラルメイクの彼女がそこに居た。

還暦同窓会で元気な姿を見たすぐ後に病魔に襲われたらしい。
すごく痩せて、この姿は見られたくないと言ってたと、彼女の死を知らせてくれた友達が教えてくれた。
ので…
昨夜のお通夜で顔を見るのは止めたんだと言う。
美意識が強かった彼女の姿は綺麗なままで残して置こうと、今日もお別れの顔見せには参加せず、見送った。

実際の彼女を見なくても、若い頃の彼女そのままの二人の娘さんが居て、彼女と会った気持ちになった。

葬儀に向かう車窓から、満開の桜をいっぱい見た。
花見に出かけるなんて気持ちにはならない状況の中、彼女が花見をさせてくれたのかなぁ…

帰り道、最寄り駅からのバスの乗客は私ひとり。
貸し切りバス状態だった。

私が降りた後、運転士さんは無人のバスを走らせて行った。
あの先誰か乗ったのかなぁ？